「塾に何年も通わせたのに、思ったほど成績が上がらなかった」
「いくつも習い事をさせたけれど、結局どれも続かなかった」
「子どものためと思ってお金をかけてきたけれど、本当に必要だったのだろうか」
教育費について、こんな後悔や不安を感じていませんか。
教育費は子どもの将来に関わるからこそ、簡単には削れません。
周りの家庭が塾や習い事を始めると「うちだけ何もしなくて大丈夫?」と不安になり、気づけば毎月かなりの金額を教育費に使っている家庭もあるでしょう。
一方で、教育費を優先するあまり貯金が増えなかったり、老後資金まで心配になったりすると、「ここまでお金をかける必要があったのかな」と後悔することもあります。
ただし、教育費は高い=効果がある、安い=子どもが不利になるとは限りません。
大切なのは、何でも削ることではなく、子どもに合っている教育費と、惰性や不安から払い続けている教育費を分けることです。
この記事では、次のことについて詳しく解説します。
- 実際に「無駄だった」と感じやすい教育費
- 塾や習い事にお金をかけても成果が出ない理由
- 教育費をかけすぎていないか判断する基準
- 塾・習い事・通信教育を見直す具体的な方法
- 教育費を抑えても子どもが不利にならない考え方
- 高校・大学で利用できる公的な支援制度
「今まで使ったお金」を悔やむだけではなく、これから何にお金を使い、何をやめるのかを考えるための判断材料にしてみてください。
教育費が「無駄だった」と感じるのはどんなとき?
子どものために使う教育費は、食費や光熱費とは少し違い、「将来のためのお金」という意味合いがあります。
そのため、多少家計が苦しくても「子どもの可能性を狭めたくない」と考えて、塾や習い事などを優先してきた家庭も多いでしょう。
ところが、数年経って振り返ったときに、「あれだけお金をかけたのに、何が残ったのだろう」と感じることがあります。
特に後悔しやすいのが、支払った金額に対して分かりやすい成果が見えなかったときです。
塾なら成績や合格、英会話なら英語力、スポーツなら上達など、親は無意識のうちに支払った教育費と成果を結びつけて考えます。
しかし、教育は必ずしも「10万円払ったから10万円分の成果が出る」というものではありません。
だからこそ、成果が見えなかったときの後悔も大きくなります。
実際に教育費を振り返るときは、単純に「成果が出た・出なかった」だけでなく、なぜ無駄だったと感じているのかを整理することが大切です。
ここでは、教育費に後悔しやすい代表的なケースを見ていきましょう。
塾に通わせても成績が上がらなかった
教育費が無駄だったと感じやすい代表例が、塾に通わせたのに期待したほど成績が上がらなかったケースです。
「苦手な数学を何とかしたい」「高校受験に備えたい」と考えて塾に入れたものの、半年、1年と経っても成績がほとんど変わらなければ、親としては不安になります。
さらに夏期講習や冬期講習、教材費などが加わるたびに、「これだけ払っているのに本当に意味があるの?」という気持ちが強くなっても不思議ではありません。
しかし、ここで注意したいのは「成績が上がらない=塾そのものが無駄」とは限らないことです。
たとえば、塾へ行けば勉強するものの家ではほとんど復習していない場合、授業を受ける時間を増やすだけでは十分な成果につながらないことがあります。
反対に、成績は大きく変わっていなくても、以前はまったく勉強しなかった子どもが毎週決まった時間に机へ向かうようになったのであれば、変化は起きています。
見るべきなのは点数だけではありません。
- 入塾前に抱えていた問題は改善しているか
- 勉強する時間や習慣は増えたか
- 分からない問題を自分から質問できるようになったか
- 子どもに塾の指導方法が合っているか
- そもそも塾へ通う目的が明確だったか
こうして確認しても変化がなく、子ども自身も「行っているだけ」という状態なら、塾を続ける意味を考え直すタイミングかもしれません。
一番避けたいのは「ここまでお金を払ったのだから、やめたら今までの塾代が無駄になる」と考えて惰性で続けることです。
すでに支払った塾代は戻りませんが、これから支払う塾代は変えられます。
過去にいくら使ったかではなく、「これから1年間さらにお金を払ってでも続ける価値があるか」で考えると判断しやすくなります。
習い事を始めても続かなかった
「やりたいと言ったから始めたのに、半年でやめてしまった」という経験も、教育費への後悔につながりやすいものです。
習い事は月謝だけで済むとは限りません。
ピアノなら楽器、スポーツならウェアや道具、教室によっては入会金や教材費、発表会費などが必要になることもあります。
せっかく一式そろえた直後に「もう行きたくない」と言われれば、「あのお金は全部無駄だったのでは」と思ってしまうでしょう。
ただし、途中でやめた習い事については、二つに分けて考える必要があります。
一つは、短期間でも経験したことで「自分には合わなかった」と分かったケースです。
子どもは実際に経験してみなければ、自分が何を好きなのか分からないことがあります。
水泳をやめた後に球技に夢中になるなど、最初の経験が次の選択につながることもあります。
この場合は、結果として続かなかったとしても、すべてを無駄と考える必要はありません。
一方で注意したいのは、本人の興味がなくなっているのに、親が「せっかく始めたから」と続けさせているケースです。
毎回行きたがらず、自宅でも練習せず、本人にも続ける目的がないのであれば、「続けること」そのものが目的になっていないか確認してみましょう。
習い事は、やめることよりも、目的を失ったまま何年も払い続ける方が大きな教育費になることがあります。
「続かなかったから無駄」ではなく、「その経験から何が分かり、今後の選択にどう活かせるか」まで考えることが大切です。
周りに合わせて教育費をかけすぎた
教育費が膨らむ原因として見落としやすいのが、周囲との比較です。
「同じクラスの子が塾へ通い始めた」
「英語は小さいうちから始めた方がいいらしい」
「中学受験をする家庭が増えている」
こうした話を聞くと、今まで必要だと思っていなかった教育まで急に必要に感じることがあります。
特に親にとって怖いのは、教育費を使うことよりも、「何もしなかったことで子どもが不利になること」です。
そのため「本当に必要だから」ではなく、「やらせないのが不安だから」という理由で塾や習い事が増えていくことがあります。
一つひとつは必要に見えても、英会話、スイミング、通信教育、学習塾などが重なれば、家計への負担は大きくなります。
さらに月謝以外の教材費、交通費、検定料、イベント費などまで加われば、最初に想定した以上のお金が必要になることもあります。
教育費で後悔しないためには、「他の家庭が何をしているか」と「わが家の子どもに何が必要か」を分けて考えることが重要です。
たとえば「英語を習わせる」ではなく、「なぜ今、英語教室が必要なのか」まで考えてみます。
本人が英語を話せるようになりたいのか、学校の授業で困っているのか、親が何となく将来必要だと思っているだけなのかでは、必要性がまったく違います。
目的を言葉にできない教育費が増えてきたら、一度立ち止まるサインと考えてよいでしょう。
子どもの可能性を広げるために、あれもこれも経験させたくなる気持ちは自然です。
しかし、「やらせなかったら後悔するかも」という不安だけで教育費を増やし続けると、今度は「お金をかけすぎた」という別の後悔につながります。
高い教材や教育サービスを使いこなせなかった
塾や習い事だけでなく、通信教育やタブレット教材、オンライン学習なども教育費の一つです。
申し込んだ直後は子どもも興味を持って取り組んでいたものの、数か月すると教材がたまり始めたという家庭もあるでしょう。
親としては「せっかくお金を払っているのだからやってほしい」と思い、手をつけていない教材を見るたびにモヤモヤします。
ここで確認したいのは、教材そのものの良し悪しではなく、わが家で実際に使えているかです。
どれだけ評判のよい教材でも、子どもがほとんど使っていなければ、その家庭にとって費用対効果が高いとは言いにくくなります。
反対に、安い市販教材でも毎日取り組めていて、苦手分野の復習に役立っているのであれば、十分価値があります。
教育費を考えるときは、商品の価格や知名度よりも、「払った金額」ではなく「実際にどれくらい使ったか」まで見ることがポイントです。
たとえば年間6万円の教材を契約していても、月に数回しか利用していなければ、1回あたりの費用は意外と高くなります。
逆に毎日のように使っているのであれば、同じ6万円でも受け取っている価値は変わります。
これは通信教育だけでなく、オンライン英会話や学習アプリなどの月額サービスにも同じことが言えます。
- 最近1か月で何回利用したか
- 子どもが自分から取り組んでいるか
- 契約した目的を達成できているか
- 同じ目的をもっと低コストで達成できないか
この4点を確認すると、「良さそうだから契約しているもの」と「実際に役立っているもの」を分けやすくなります。
使えていない教育サービスをやめることは、教育を諦めることではありません。
浮いたお金を、子どもが本当に必要になったときの教育費として残しておくという選択も立派な教育資金の使い方です。
進学にお金をかけたが期待した結果にならなかった
塾や習い事よりも金額が大きくなりやすいのが、受験や進学にかかわる教育費です。
受験対策の塾や講習、受験料、入学金、授業料などを振り返り、「ここまでお金をかける必要があったのだろうか」と感じることもあります。
特に親が「この学校へ行けば将来の選択肢が広がる」と期待していた場合、進学後の子どもの様子が期待と違うと後悔が強くなりやすいでしょう。
しかし、学校への教育費は「入学した瞬間に成果が確定するお金」ではありません。
同じ学校へ進学しても、何を学び、どんな経験をして、その後どう行動するかは子どもによって違います。
そのため、「高い学費を払った=将来必ず大きな成果が得られる」と考えてしまうと、期待とのギャップが生まれやすくなります。
一方で、「教育だからいくら使っても無駄ではない」と考えるのも危険です。
今の教育費を優先しすぎて、これから必要になる大学費用や家族の貯蓄まで圧迫してしまえば、別の問題が生まれます。
だからこそ、進学にお金をかけるときも「払えるか」だけで判断するのではなく、家庭全体で考える必要があります。
- その進学先を選ぶ目的は何か
- 子ども本人が希望しているか
- 卒業までに必要な費用を把握できているか
- 下の子の教育費や家族の貯蓄を圧迫しないか
- ほかの進路でも目的を達成できないか
こうした点まで確認して初めて、「わが家にとって必要な教育費だったのか」を判断しやすくなります。
教育費の難しいところは、支払った直後には正解だったか分からないことです。
だからこそ、結果が出なかったときに「全部無駄だった」と決めつける必要もなければ、「教育だから仕方ない」とすべてを正当化する必要もありません。
大切なのは、過去にいくら使ったかより、これから払う教育費が子どもの目的と家計に合っているかを定期的に見直すことです。
「教育費が無駄だった」と感じた経験も、次に同じような支出をするときの判断基準に変えることができます。
教育費が無駄になりやすい理由と見直すポイント
塾や習い事にお金をかけても期待した成果が出ないと、「もっと早くやめればよかった」「ほかのことに使えばよかった」と後悔してしまうことがあります。
しかし、教育費が無駄になってしまう原因は、塾や教材そのものにあるとは限りません。
「何のために始めるのか」「誰が望んでいるのか」「今も続ける必要があるのか」が曖昧なままお金を払い続けることが、後悔につながるケースもあります。
特に教育費は「子どものため」という理由があるため、一度始めるとやめにくい支出です。
「ここでやめたら今まで払ったお金が無駄になる」「ほかの子に遅れてしまうかもしれない」と考え、必要性に疑問を感じながら続けている家庭もあるでしょう。
教育費を見直すときは、単純に「高いからやめる」「成果が出ないからやめる」のではなく、現在の目的・子どもの様子・家計への負担を一緒に確認することが大切です。
目的が曖昧なまま塾や習い事を続けている
教育費が無駄になりやすい原因の一つが、何のためにお金を払っているのか分からなくなっていることです。
塾に入った当初は「算数の苦手を克服する」、英会話なら「英語に慣れる」など、何らかの目的があったかもしれません。
ところが、長く続けているうちに目的を確認しなくなり、「毎週行くこと」そのものが目的になってしまうことがあります。
たとえば、苦手科目を克服するために入った塾なのに、その科目の成績が変わらないまま何年も通い続けているのであれば、一度立ち止まって考えてみる必要があります。
もちろん、すぐに成績が上がらないからといって無駄とは限りません。
ただ、「何ができるようになれば通わせた意味があったと言えるのか」が分からなければ、効果を判断することもできません。
教育費で後悔しないためには、始めるときだけでなく、続けている途中でも目的を確認することが重要です。
現在利用している塾や習い事について、次のように考えてみましょう。
- 何のために始めたのか
- その目的は今も変わっていないか
- 始める前と比べて何か変化があったか
- これから半年・1年続ける理由を説明できるか
「何となく続けている」と感じるものがあれば、それは見直し候補です。
大切なのは、必ずやめることではありません。
「苦手克服のためにあと半年続ける」など、目的と期間を改めて決めるだけでも、惰性で教育費を払い続けることを防ぎやすくなります。
子どもの希望より親の期待を優先している
親が良いと思う教育と、子どもに合う教育が同じとは限りません。
「英語は将来必要になるから習わせたい」「せっかくなら中学受験をしてほしい」「スポーツを一つくらい続けてほしい」と考えること自体は珍しいことではないでしょう。
問題になるのは、子ども本人がどう感じているかを確認しないまま、親の期待だけで教育費をかけ続けてしまうことです。
本人は乗り気ではないのに毎週塾へ行き、宿題も言われなければやらない状態では、お金だけでなく親子双方の時間や負担も増えていきます。
親からすると「これだけお金を払っているのだから、もう少し頑張ってほしい」と感じるでしょう。
子どもからすると「自分がやりたいと言ったわけではないのに」と感じているかもしれません。
このズレが大きくなると、教育費が高いほど親の期待も大きくなり、その期待が子どものプレッシャーになることもあります。
だからといって、子どもが「やりたくない」と言ったらすぐにすべてやめればいいわけでもありません。
子どもは目先の楽しさを優先することもありますし、苦手だから避けたいだけの場合もあります。
そこで、「やりたい・やりたくない」だけではなく、理由まで聞いてみることが大切です。
- 本人は何を嫌がっているのか
- 教室や先生が合っていないだけではないか
- 別の方法なら取り組めそうか
- 本人が続けたいと思っていることは何か
たとえば「勉強そのものが嫌い」なのではなく、「集団授業では質問できない」ことが原因なら、塾をやめる以外にも方法があります。
個別指導や通信教育、家庭学習など、同じ目的を別の方法で目指すこともできます。
「この塾を続けるか」ではなく「この子に今どんな学び方が必要か」と考えると、教育費の選択肢は広がります。
「周りもやっているから」で教育費が増えている
教育費は、周囲の家庭と比べることで増えやすい支出でもあります。
友達が塾に通い始めたり、英会話やプログラミングを習っていると聞いたりすると、「うちも何かやらせた方がいいのでは」と不安になることがあります。
特に受験や進学が近づくと、「みんな塾へ行っているのに、うちだけ行かなくて大丈夫?」と感じやすくなります。
こうした不安から始めた教育は、目的が「子どもに必要だから」ではなく、「周りから遅れないため」になりがちです。
すると、一つ始めても不安は完全には消えません。
「英語も必要かもしれない」「個別指導も追加した方がいいかもしれない」「夏期講習も受けた方が安心」と、教育費が少しずつ積み上がっていきます。
周囲との比較で教育費を決め続けると、「どこまでやれば十分なのか」という終わりがなくなります。
他の家庭とは、年収も貯蓄額も子どもの人数も違います。
さらに、同じ年齢の子どもでも得意・不得意や興味、目指している進路は違います。
そのため、「○○ちゃんもやっている」は、わが家で教育費を使う理由にはなっても、必要性を判断する基準にはなりません。
新しい塾や習い事を検討するときは、「周りの子がやっていなくても、わが家はこれにお金を払うか?」と考えてみるのも一つの方法です。
それでも必要だと思えるのであれば、子どもや家庭にとって優先順位が高い可能性があります。
反対に、「みんながやめているなら、うちもやらない」と思う程度なら、必要性をもう一度考えてみてもよいでしょう。
成績以外に残ったものがないか振り返る
ここまで教育費が無駄になりやすい原因を見てきましたが、過去の支出を振り返るときには注意したいことがあります。
それは、成績や合否だけで「無駄だった」と決めないことです。
たとえば、塾に1年間通ったものの、期待していたほどテストの点数が上がらなかったとします。
点数だけを見れば「高い塾代を払ったのに意味がなかった」と感じるかもしれません。
しかし、塾へ通う前は家庭学習をまったくしなかった子どもが、毎日30分でも机に向かうようになったのであれば、別の成果は残っています。
習い事についても同じです。
水泳を数年続けても選手にならなかったから無駄、ピアノをやめたから無駄、英会話を続けても英語をペラペラ話せないから無駄、と単純に判断する必要はありません。
教育によって得られるものには、数字で確認しやすい成果と、確認しにくい成果があります。
- 勉強する習慣がついた
- 苦手なことにも取り組めるようになった
- 自分の得意・不得意が分かった
- 学校以外の人間関係を経験できた
- 自分に合う学び方が分かった
こうした変化があれば、期待した結果には届かなかったとしても、支払った教育費のすべてが無駄だったとは言い切れません。
ただし、ここでも「何か経験になったはず」と無理に正当化する必要はありません。
「無駄だった部分」と「それでも残ったもの」を分けて考えることがポイントです。
たとえば「この塾は子どもには合わなかった」という反省があっても、「集団授業より一人で勉強する方が合うと分かった」という発見が残ることがあります。
失敗した教育費をゼロか100かで評価するのではなく、次の教育選びに活かせる情報まで拾っておくと、同じ後悔を繰り返しにくくなります。
子どもの成長や家庭の状況に合わせて見直す
一度必要だと判断した教育費でも、ずっと必要とは限りません。
子どもの成長によって、得意なことや苦手なこと、興味のある分野は変わっていきます。
家庭の状況も同じです。
下の子が習い事を始めたり、住宅費が増えたり、進学が近づいたりすれば、教育に使える金額も変わります。
それにもかかわらず、「去年もやっていたから」という理由だけで同じ教育費を払い続けると、家計とのズレが大きくなっていきます。
特に注意したいのは、教育費を固定費のように考えてしまうことです。
塾、通信教育、英会話、スポーツなどを始めるたびに毎月の支払いは増えますが、何かを始めたからといって、それまでの教育をやめるとは限りません。
その結果、子どもの成長とともに「追加する教育費」ばかり増えて、「やめる教育費」がなくなることがあります。
そこで、3か月や半年など家庭で期間を決めて、教育費を定期的に確認するのがおすすめです。
- 今もこの教育が必要か
- 子ども本人は続けたいと思っているか
- 始めたときの目的に近づいているか
- 家計を圧迫する金額になっていないか
- これから必要になる教育費を準備できているか
このとき、「続ける・やめる」の二択だけで考える必要はありません。
回数を減らす、別の教室へ変える、通信教育へ切り替える、一度休んで必要になったら再開するなど、中間の選択肢もあります。
そして、見直すときに意識したいのが、すでに払った金額とこれから払う金額を分けることです。
「3年間続けてきたから、今さらやめるのはもったいない」と感じても、過去3年間の費用はどちらを選んでも戻ってきません。
判断すべきなのは、「これからさらにお金を払って続ける価値があるか」です。
教育費を見直すことは、子どもにお金をかけるのをやめることではありません。
必要性の低くなった教育費を減らし、本当に必要になった教育へお金を回せるようにすることが見直しの目的です。
子どもの成長に合わせて教育内容を変えるのと同じように、教育費の使い方も定期的に変えていくことで、「もっと早く見直せばよかった」という後悔を減らしやすくなります。
教育費をかけすぎて後悔しないための考え方
子どもの教育には、できるだけお金をかけてあげたいと考える親も多いでしょう。
「塾をやめたせいで受験に失敗したらどうしよう」「習い事をさせなかったことで将来の可能性を狭めたくない」と思えば、教育費はなかなか削れません。
しかし、教育費を優先するあまり貯金ができなくなったり、将来必要になるお金まで使ってしまったりすれば、家計全体が苦しくなります。
教育費で後悔しないために大切なのは、できるだけ多くのお金をかけることではありません。
「子どもに必要な教育」と「家庭が無理なく負担できる金額」の両方を考えることが大切です。
ここからは、教育費をかけすぎないために考えておきたい家計とのバランスや、教育費を減らすことへの不安、公的な支援制度について解説します。
教育費で貯金や老後資金を圧迫しない
教育費を考えるときに陥りやすいのが、「子どものためのお金だから削ってはいけない」という考え方です。
塾や習い事なら月々の支払いなので、一つひとつを見ると家計から出せる金額に感じるかもしれません。
しかし、塾に加えて英会話やスポーツなど複数の習い事を続ければ、教育費は毎月の大きな固定支出になります。
さらに学年が上がれば、受験対策や進学などで別の教育費が必要になる可能性もあります。
ここで確認したいのは、「教育費を払えるか」ではなく「教育費を払ったあとにも必要な貯蓄ができているか」です。
毎月の収入だけで塾代を払えていても、貯金がほとんど増えていないのであれば、家計に余裕があるとは言い切れません。
特に注意したいのが、子どもがまだ小さい家庭です。
小学生の習い事にはお金をかけられていても、その後には高校や大学への進学があります。
今の教育費を優先しすぎて将来必要になる進学費用を準備できなければ、「あのとき習い事に使いすぎなければよかった」と後悔することにもなりかねません。
さらに、教育費と同時に考えておきたいのが親自身の老後資金です。
子どもの教育費には終わりがありますが、その後も親の生活は続きます。
子どもの教育のために親の老後資金まで使い切ってしまうことが、本当に家族にとって良い選択なのかは慎重に考える必要があります。
教育費を確認するときは、次のような状態になっていないかチェックしてみましょう。
- 教育費を払うと毎月ほとんど貯金できない
- ボーナスを塾や習い事の費用に頼っている
- 大学進学に向けた資金を準備できていない
- 老後資金の積み立てを教育費のために止めている
- 急な出費があると貯金を取り崩さなければならない
一つでも当てはまったからといって、すぐに塾や習い事をやめる必要はありません。
ただし、現在の教育費が家計に対して大きくなっているサインとして、一度支出内容を確認する価値はあります。
教育費を見直すことは、子どもの将来を削ることではなく、家族の将来まで含めて守ることです。
教育費だけでなく子育て費用全体が家計を圧迫している場合は、子育てのお金がかかりすぎる原因と見直し方もあわせて確認してみてください。
教育費はいくらまで?家計に合った上限を決める
教育費をかけすぎていると感じたとき、「年収の何%までなら大丈夫なの?」と気になる人もいるでしょう。
しかし、すべての家庭に当てはまる教育費の上限を一つの割合で決めることは難しいです。
同じ年収でも、子どもが1人の家庭と3人の家庭では今後必要になる教育費が違います。
「わが家は教育費をかけすぎているのでは?」と気になる方は、教育費をかけすぎか判断する基準や家庭ごとの考え方も参考にしてみてください。
住宅ローンや家賃、現在の貯蓄額、進学方針によっても家計の余裕は変わります。
そのため、「年収○%以内なら大丈夫」と考えるより、教育費を払っても家計のほかの目的を達成できるかで判断した方が現実的です。
教育費の上限を考えるときは、先に次の支出や貯蓄を確認します。
- 毎月の生活に必要なお金
- 急な出費に備えるための貯蓄
- 高校・大学など将来の進学費用
- 住宅や車など家庭ごとの大きな支出
- 親自身の老後資金
そのうえで、無理なく教育に使える金額を考えます。
この順番を逆にしてしまうと、「子どもに必要そうな教育を全部申し込む→残ったお金で生活や貯金をする」という家計になりやすくなります。
教育費には上限が見えにくいため、必要そうなものを足していけば際限なく増えてしまいます。
だからこそ、「必要な教育費を全部足してから払えるか考える」のではなく、「わが家が教育に使える金額を決め、その中で優先順位をつける」という考え方が重要です。
たとえば、塾と英会話とスポーツをすべて続けるのが難しければ、子どもと話し合って優先順位をつけます。
受験を控えている時期だけ塾を優先する方法もあれば、本人が一番好きな習い事を残し、勉強は家庭学習に切り替える方法もあります。
教育費は一度決めた上限をずっと守らなければならないものでもありません。
受験期には増やし、負担の少ない時期には抑えるなど、子どもの成長に合わせて調整してもよいでしょう。
「いくらまでなら出せるのか」を決めないまま教育費を増やし続けることが、かけすぎにつながりやすいポイントです。
教育費に上限を設けるのは、子どもの教育を金額だけで制限するためではありません。
限られたお金をどこに使えば子どもにとって一番意味があるのかを考えるための基準になります。
教育費を減らすと子どもが不利になる?
教育費を見直したいと思っても、「お金をかけないと子どもが不利になるのでは」と心配になる人は多いでしょう。
周りの子どもが塾や英会話などに通っていれば、なおさら不安になります。
だからこそ、教育費が家計を圧迫していても簡単にはやめられません。
ただし、教育費を減らすことと、子どもの学ぶ機会を減らすことは同じではありません。
たとえば、塾をやめる場合でも勉強そのものをやめる必要はありません。
通信教育や市販教材、家庭学習などへ方法を変えることもできます。
英語に触れることが目的なら、高額な教室だけでなくオンライン学習など別の方法を検討することもできます。
大切なのは、「塾に通わせるか、何もしないか」という二択にしないことです。
同じ目的を達成する方法はいくつもあります。
たとえば教育費を見直すときは、次のように考えてみましょう。
- 塾をやめて通信教育や家庭学習へ切り替えられないか
- すべての科目ではなく苦手科目だけ受講できないか
- 習い事の回数を減らせないか
- 市販教材や図書館などを利用できないか
- 必要になった時期だけ短期講習などを利用できないか
反対に、子どもが明確な目的を持っていて、その教育が本人に合っているのであれば、優先的にお金を使う選択もあります。
つまり、教育費の見直しは「全部減らす」ことが目的ではありません。
効果の薄い教育費を減らして、子どもにとって必要性の高い教育にお金を集中させることが目的です。
これまで三つの習い事に均等にお金を使っていたなら、本人が最も取り組みたい一つに絞ることもできます。
塾へ何となく通わせ続けるより、受験など本当に必要になった時期に教育費を使えるよう、今は貯めておく方法もあります。
「教育費を減らす=親として子どもに何もしてあげない」と考える必要はありません。
お金を使うことだけが教育ではなく、どこにお金を使うかを選ぶことも親にできる大切な判断です。
高校・大学で利用できる公的な支援制度も確認する
教育費を考えるとき、「高校や大学に進学するなら、必要なお金はすべて親が用意しなければならない」と思っている人もいるかもしれません。
しかし、高校や大学などでは、家庭の負担を軽くするための公的な支援制度があります。
制度を知らないまま「将来の学費が不安だから」と現在の家計に無理をするより、利用できる制度も含めて教育費を考えることが大切です。
高校では授業料に関する支援制度を確認する
高校生がいる家庭では、国による授業料の支援制度などがあります。
支援内容や対象となる条件は制度改正によって変わる可能性があるため、進学時には文部科学省や学校からの最新情報を確認しましょう。
また、国の制度だけでなく、自治体や学校によって利用できる支援が異なる場合もあります。
「高校に進学したらこれだけ必要」と自己判断するのではなく、実際に家庭が負担する金額を確認してから資金計画を立てることが重要です。
大学等では授業料等減免と給付型奨学金がある
大学・短期大学・高等専門学校・専門学校への進学では、「高等教育の修学支援新制度」があります。
対象となる場合は、授業料・入学金の減免と、返済不要の給付型奨学金による支援を受けられます。
ただし、対象となる学校や家計・学業などの要件があるため、誰でも同じ支援を受けられるわけではありません。
給付型奨学金については、進学前に高校等を通じて申し込む予約採用のほか、進学後に大学等を通じて申し込む在学採用もあります。
大学費用をすべて親の貯金だけで準備すると決める前に、利用できる授業料減免や給付型奨学金がないか確認しておきましょう。
多子世帯は大学等の授業料・入学金の支援も確認する
子どもが複数いる家庭では、多子世帯を対象とした大学等の授業料・入学金の減免支援についても確認しておきたいところです。
対象になるかどうかには扶養状況などの条件があり、対象校であることや学業に関する要件などもあります。
「子どもが3人いるから必ず大学が無料になる」と考えるのではなく、自分の家庭が制度上の多子世帯に該当するかを確認することが必要です。
制度は変更されることもあるため、進学が近づいた段階で最新の条件を確認しましょう。
公的支援を利用することは、教育にお金をかけないという意味ではありません。
利用できる制度を使って家庭の負担を抑え、浮いたお金をほかの教育費や家族の将来資金に回すことも、教育費を無駄にしない方法の一つです。
「子どものためならできる限り払う」と考えるだけでなく、家庭で負担する部分と制度で補える部分を分けて考えてみましょう。
そうすることで、今の塾や習い事から大学進学まで、教育費全体を長い目で考えやすくなります。
無駄な教育費を減らすために今からできること
「教育費をかけすぎたかもしれない」と気づいても、すでに支払ったお金を取り戻すことはできません。
しかし、これから支払う教育費は今からでも変えられます。
だからといって、焦って塾や習い事をすべてやめる必要はありません。
教育費の見直しで大切なのは、金額を減らすことだけではなく、「何にお金を使い、何には使わないのか」を家庭で決め直すことです。
今まで何となく続けていた教育費でも、子どもにとって必要なら残して構いません。
反対に、目的がなくなっているものやほとんど利用していないものは、見直すことで将来の進学費用などにお金を残せます。
ここからは、今すぐ始められる教育費の見直し方を順番に紹介します。
塾・習い事・通信教育をすべて書き出す
教育費を見直す最初の一歩は、現在何にいくら払っているのかを把握することです。
「塾は月2万円くらい」「習い事はそれほど高くない」と一つずつ考えていると、教育費全体の負担が見えにくくなります。
まずは、子ども一人ずつ現在利用している教育サービスを書き出してみましょう。
- 学習塾・個別指導
- 英会話・スポーツ・音楽などの習い事
- 通信教育・タブレット教材
- オンライン学習サービスや学習アプリ
- 市販教材や検定などにかかる費用
ここで注意したいのは、月謝だけで判断しないことです。
塾であれば通常授業のほかに、教材費や模試代、夏期講習・冬期講習などが必要になる場合があります。
習い事でも、入会金、道具代、発表会費、交通費などが発生することがあります。
毎月の月謝だけではなく、「1年間でいくら使っているか」まで確認すると、本当の教育費が見えやすくなります。
年間金額を出したら、それぞれの横に「何のために払っているのか」も書いてみましょう。
たとえば、「高校受験のため」「算数の苦手克服」「本人がサッカーを続けたいから」といった形です。
この作業をすると、目的がはっきりしている支出と、「何となく続けている支出」が分かれてきます。
「何のために払っているのか説明できない教育費」は、最初に見直したい支出です。
逆に金額が高くても、本人に明確な目的があり、家庭としても優先したいものであれば、残す理由があります。
教育費の棚卸しは「高いものから削る作業」ではなく、必要性を確認するための作業と考えましょう。
続けるもの・やめるものを子どもと一緒に決める
教育費を書き出したら、次はそれぞれを今後も続ける必要があるか確認します。
このとき、親だけで「これは成果が出ていないからやめよう」と決めるのは避けたいところです。
親から見ると成果がないように思えても、子どもにとっては楽しく続けられる大切な場所になっていることがあります。
反対に、親は「将来役立つから続けてほしい」と思っていても、本人は毎週行くことを負担に感じているかもしれません。
そのため、お金を払っている親の視点と、実際に取り組んでいる子どもの視点の両方から判断することが重要です。
子どもとは、次のようなことを話してみましょう。
- 今の塾や習い事を続けたいと思っているか
- 楽しいこと・嫌なことは何か
- できるようになったことはあるか
- これからできるようになりたいことはあるか
- やめたい場合は、なぜやめたいのか
ただし、子どもの希望を聞くことと、すべて子ども任せにすることは違います。
「面倒だからやめたい」という理由なら、教室が合わないのか、単純に練習が嫌なのかなど、もう少し理由を確認してみましょう。
そのうえで、家庭として必要性が低いと判断できれば、やめる選択をしてもよいでしょう。
ここで親が迷いやすいのが、「今まで何年も続けてきたのにもったいない」という気持ちです。
しかし、過去に支払った教育費は、続けてもやめても戻ってきません。
判断するときは「今までいくら払ったか」ではなく、「これからさらにお金を払って続けたいか」で考えることがポイントです。
また、「続ける」「やめる」だけで決める必要もありません。
週2回を週1回にする、一度休会する、別の教室に変えるなど、負担を減らしながら続ける方法もあります。
塾から通信教育・家庭学習などへの切り替えも考える
教育費を減らすときに、「塾をやめたら勉強しなくなるのでは」と心配する人もいるでしょう。
しかし、塾をやめることと、学習そのものをやめることは同じではありません。
教育費を見直すときは「やめるかどうか」だけでなく、「もっと負担の少ない方法へ置き換えられないか」も考えてみましょう。
たとえば、学校の授業についていくことが目的なら、必ずしも複数科目を塾で受講する必要があるとは限りません。
家庭で学習する習慣がある子どもなら、通信教育や市販教材で学習を続ける方法もあります。
反対に、自分一人では勉強を続けられない子どもなら、単純に安い方法へ変えるだけではうまくいかない可能性があります。
つまり、価格だけでなく、子どもがその方法で実際に学習できるかまで考える必要があります。
切り替えを考える場合は、次のような方法があります。
- 塾から通信教育へ切り替える
- 複数科目の受講から苦手科目だけに絞る
- 市販教材を使って家庭学習する
- 図書館など無料・低コストで使える場所や教材を活用する
- 必要な時期だけ講習や個別指導を利用する
たとえば、普段は家庭学習を中心にして、受験前や苦手単元だけ外部のサービスを利用する方法もあります。
毎月固定で高い教育費を払い続けるのではなく、必要なタイミングに集中してお金を使う考え方です。
一方で、現在の塾で子どもが自発的に勉強できていて、成績だけでなく学習習慣にも良い変化が出ているなら、金額だけを理由に切り替える必要はありません。
教育費の節約で重要なのは「一番安い方法」を選ぶことではなく、「目的を達成できる中で無理のない方法」を選ぶことです。
安い教材を買っても使わなければ無駄になりますし、高い塾でも子どもに合っていて必要性が高ければ価値があります。
金額と効果の両方を見ながら、家庭に合った方法を探しましょう。
3か月・半年ごとに教育費の効果を確認する
教育費は一度見直したら終わりではありません。
今は必要な塾や習い事でも、子どもの成長や進路が変われば必要性も変化します。
そこでおすすめなのが、3か月や半年など期間を決めて教育費を定期的に確認することです。
期間を決めておけば、「何となく2年間続けてしまった」という状態を防ぎやすくなります。
確認するときは、テストの点数や大会の結果など、目に見える成果だけを見る必要はありません。
- 始めたときの目的に近づいているか
- 子ども本人が前向きに取り組めているか
- 学習習慣や生活面に良い変化があったか
- 利用頻度に対して料金が高すぎないか
- 家計を圧迫する支出になっていないか
たとえば塾で成績が大きく上がっていなくても、自宅で毎日勉強するようになったのであれば、一定の効果が出ていると考えることができます。
反対に、高額な通信教育を契約していても、教材が毎月ほとんど手つかずで残っているなら見直しのサインです。
そして、効果が感じられないときは「やめる」だけでなく、原因を確認します。
教材が難しすぎるならレベルを変える、先生との相性が悪いなら教室を変える、忙しすぎるなら習い事の数を減らすなど、改善できることもあります。
「成果が出ないからもっとお金をかける」という判断をする前に、現在の教育がうまくいっていない理由を確認することが大切です。
成績が上がらないから個別指導を追加する、英語が伸びないから別の教材も契約するというように、問題を解決するために教育費を足していくと、支出だけが膨らむことがあります。
まずは今利用している教育を十分に活用できているか確認してから、追加の支出を考えましょう。
また、定期的な見直しは、子どもと教育について話すきっかけにもなります。
「最近どう?」「続けたい?」「何か困っている?」と確認することで、親が気づかなかった変化が分かることもあります。
教育費は「一度始めたら払い続ける固定費」ではなく、子どもの成長に合わせて入れ替えていくお金と考えてみましょう。
過去に「教育費が無駄だった」と感じた経験があっても、定期的に確認する仕組みを作れば、同じ後悔を繰り返す可能性を減らせます。
浮いた教育費をすぐ別の習い事に使わず、将来の高校・大学進学に備えて残しておくことも一つの選択です。
「今使わない」という判断も、将来本当に必要な教育へお金を使うための準備になります。
教育費が無駄だったと感じる人のよくある質問
教育費を見直そうと思っても、「どこまで減らしていいの?」「塾をやめて子どもが不利にならない?」と迷うことは多いでしょう。
ここでは、教育費にお金をかけすぎたと感じている人が抱きやすい疑問について解説します。
教育費はいくらまでならかけすぎにならない?
教育費について、「年収の何%までなら大丈夫?」と明確な基準を知りたい人もいるでしょう。
しかし、すべての家庭に当てはまる「教育費は年収の○%まで」という上限を決めるのは難しいです。
同じ年収でも、子どもの人数や年齢、住宅費、貯蓄額、今後の進学予定などによって教育費に使える金額は変わります。
そのため、割合だけでなく、教育費を払ったあとの家計を見ることが大切です。
- 毎月一定額を貯金できているか
- 高校・大学など将来の進学費用を準備できているか
- 急な出費に対応できる貯蓄があるか
- 親自身の老後資金も準備できているか
たとえば教育費を問題なく支払えていても、そのために貯金がまったくできていないのであれば、家計に対して負担が大きくなっている可能性があります。
反対に教育費が高く見えても、必要な貯蓄を続けながら無理なく支払えている家庭もあります。
「いくら使っているか」だけではなく、「教育費を払ったあとに家計がどうなっているか」で、かけすぎか判断すると分かりやすいでしょう。
塾に通っても成績が上がらないならお金の無駄?
塾へ通わせているのに成績が上がらなければ、「毎月高い塾代を払う意味があるの?」と感じるのは自然です。
ただし、成績が上がっていないという理由だけで、すぐに塾代がすべて無駄だったと判断する必要はありません。
塾へ通い始めてから家庭学習の時間が増えたり、苦手だった問題に取り組めるようになったりしている場合は、テストの点数以外の変化が出ていることもあります。
一方で、長期間通っているにもかかわらず、本人が授業を聞くだけで復習をしない、宿題もほとんどやらないという状態なら見直す必要があります。
次のような点を確認してみましょう。
- 塾へ通い始めた目的を達成できているか
- 家庭で勉強する習慣がついているか
- 子どもに授業や先生が合っているか
- 本人が分からないことを質問できているか
- 今後も同じ塾へ通う理由があるか
一番避けたいのは、「今まで払った塾代がもったいない」という理由だけで、効果を感じない塾へ通い続けることです。
過去に払ったお金ではなく、これからさらに塾代を払う価値があるかで判断しましょう。
塾そのものが必要でも、教室を変える、受講科目を減らす、通信教育や家庭学習へ切り替えるなどの選択肢もあります。
習い事を途中でやめたら、それまでのお金は無駄?
習い事を途中でやめると、「月謝だけでなく道具まで買ったのに無駄になった」と感じることがあります。
特に短期間でやめた場合は、親として後悔しやすいでしょう。
しかし、途中でやめたからといって、それまでに使った教育費がすべて無駄になるわけではありません。
実際に経験したことで、「このスポーツは自分には合わない」「一人で取り組むものよりチームで活動する方が好き」など、子ども自身が向き・不向きを知ることもあります。
また、短期間でも新しい友達ができたり、できなかったことができるようになったりすることもあるでしょう。
一方で、本人が明らかに興味を失っているのに、「ここまで続けたのだから」と月謝を払い続ける必要があるかは別の問題です。
「今までのお金を無駄にしないために続ける」のではなく、「これから払うお金に続ける価値があるか」で考えることが大切です。
やめた経験から子どもに合うものが分かれば、その経験を次の教育選びに活かすこともできます。
教育費をかけないと子どもが将来不利になる?
教育費を減らしたいと思っても、「塾や習い事を減らしたことで、将来子どもに恨まれたらどうしよう」と不安になる人もいるでしょう。
周囲の子どもが塾、英会話、スポーツなど複数の教育サービスを利用していると、何もしないことに焦りを感じるかもしれません。
しかし、教育費を減らすことと、子どもの学ぶ機会をなくすことは同じではありません。
たとえば塾を利用しなくても、通信教育や市販教材、家庭学習などで学ぶことはできます。
すべての習い事を経験させるのではなく、本人が興味を持っているものに絞ってお金を使う方法もあります。
反対に、子どもに明確な目標があり、家庭だけでは難しい学習や経験が必要なのであれば、そこに教育費を重点的に使う考え方もあります。
重要なのは、教育費の総額を増やすことではなく、「この子に今必要なものは何か」を考えてお金を使うことです。
「周りの子がやっているから」という理由だけで教育費を増やす必要はありません。
教育費をたくさん使うことと、子どもの可能性を広げることは必ずしも同じではないと考えておきましょう。
教育費と老後資金はどちらを優先するべき?
子どもの進学と自分たちの老後が近づいてくると、「教育費と老後資金のどちらを優先すればいいの?」と悩む家庭もあります。
親としては、できるだけ子どもの希望する進路を応援したいでしょう。
しかし、教育費のために老後資金をすべて後回しにすることには注意が必要です。
教育費には奨学金や授業料等の支援など、条件を満たせば利用できる制度があります。
一方で、親自身の老後生活については、自分たちで準備しなければならない部分も大きくなります。
老後資金が不足すれば、将来的に子どもへ経済的な負担をかける可能性もあります。
そのため、「教育費か老後資金か」の二択ではなく、教育費を払いながら老後資金も準備できる範囲を探すことが大切です。
家計が苦しい場合は、まず現在の塾や習い事などに見直せる支出がないか確認してみましょう。
高校や大学への進学費用については、公的な支援制度や給付型奨学金など、利用できる制度がないか確認することも重要です。
子どものために教育費を使うことと、親自身の将来に備えることは、どちらも家族を守るためのお金です。
「教育費だから削れない」と考えるのではなく、子どもの教育と家族全体の将来を両方守れる金額に調整していきましょう。
まとめ|教育費の後悔をこれからの選択に活かそう
子どものために塾や習い事へお金をかけてきたのに、思うような成果が出なければ「教育費が無駄だったのでは」と後悔することもあるでしょう。
しかし、成績が上がらなかったり習い事を途中でやめたりしたからといって、使ったお金のすべてが無駄だったとは限りません。
学習習慣が身についた、自分の向き・不向きが分かったなど、数字では見えにくいものが残っていることもあります。
一方で、「子どものためだから」と目的のない教育費を払い続ける必要もありません。
この記事の重要なポイントをまとめます。
- 教育費は金額だけでなく、目的や得られた効果まで確認する
- 塾や習い事は「周りもやっているから」ではなく、子どもに必要かで判断する
- 成績だけでなく、学習習慣や経験など残ったものにも目を向ける
- 塾・習い事・通信教育を定期的に棚卸しして、惰性で続けない
- 高額な教育サービスは通信教育や家庭学習などへの切り替えも検討する
- 教育費で貯金や老後資金まで圧迫しないよう、家庭ごとに上限を決める
- 高校・大学では利用できる公的な支援制度も確認する
すでに支払った教育費を取り戻すことはできませんが、これから何にお金を使うかは変えられます。
大切なのは教育費をただ減らすことではなく、必要性の低いものを減らし、子どもにとって本当に必要な教育へお金を使うことです。
「教育費が無駄だった」と感じた経験も、これからの教育費を見直すきっかけに変えていきましょう。